引き継ぎを確認する 情報の確認や承認を待つために、担当者間で仕事が止まるときに使います。関係者が具体的に説明できる、最近の事例から確認します。 最初に6つの手順と簡単なワークシートがあります。その後に、架空の記入例と、自分の仕事に使う「観察から判断までの記録」が続きます。 1. 実際に起きたことを記録する 同じ種類の引き継ぎを、最近の事例から3件選びます。作業が整った時刻、渡した時刻、必要な情報がそろった時刻、実際に確認を始めた時刻、完了した時刻を記録します。確認のために差し戻した内容も残します。 2. 渡す人と受け取る人に聞く 渡す人が何をもって準備完了と考えたか、受け取る人が何を必要としていたかを確認します。足りなかった情報や判断を、当事者の言葉で記録します。同じ問題が各事例で起きていたかも確かめます。 3. 判断する人を確認する 情報を用意する人、判断する人、変更を承認できる人を確認します。個人情報、安全、契約、業務上の条件も確認します。 4. 次の一歩を決める 変更を選ぶ根拠がまだ足りなければ、範囲を決めて追加の観察を行います。記録すること、担当者、件数、確認日、中止条件を相談します。根拠がそろったら、引き継ぎメモに参照番号を加えるなど、元に戻せる変更を一つ相談します。期待する結果、試す期間、維持する人、中止する条件を関係者で確認します。説明への疑問や記録の訂正を受け付け、追加の記録や試行を断ることもできるようにします。 5. 合意した次の一歩を実行する 追加の観察では、業務の流れを変えずに、合意した出来事を記録します。変更に合意した場合は、少数の引き継ぎで試します。待ち時間、確認の回数、完了状況、各担当者に増えた作業を記録します。機密情報は、取り扱いが認められた場所で管理します。 6. 観察した結果から判断する 関係者で観察や試行の結果を確認します。作業量や難しさの違いも考慮し、追加の観察が必要か、変更を試すかを判断します。変更を試した場合は、続けるか、修正するか、取りやめるかを決めます。理由と次の対応の担当者を記録します。 記入欄 仕事と開始のきっかけ: 対象の事例と日付: 渡す人・受け取る人: 準備完了・送信・受領・情報完備・確認開始・完了の時刻: 不足した情報・判断: 判断者と変更の承認: 次の観察または合意した変更と期待する結果: 観察または試行の件数・確認日・中止条件: 実際の結果と増えた作業: 判断・担当者・次の確認日: 受け手が着手できたか、仕事が完了したか、別の人に作業が増えていないかを確認します。誤り、情報の漏えい、合意した範囲を超える変更が生じた場合は中断します。継続的な変更を決めるために、追加の確認が必要になることもあります。 判断の理由 記入例 — 学習用の架空の記録 以下の記録と結果は、後から加わるDも含め、すべて創作です。 問いと、考えられる説明 社内の定型的な確認依頼は、どの区間に時間がかかっているのでしょうか。業務の流れを変える前に、何を調べるべきでしょうか。情報の不足で準備が止まる、受け渡しや確認の予定、ほかの仕事との兼ね合いで着手が遅れる、確認作業自体に時間がかかる、という説明が考えられます。 記録する出来事の意味をそろえる 送信 = 依頼を出した時刻。情報完備 = 確認に必要な情報がそろった時刻で、担当者が対応できる時刻とは別です。確認開始 = 確認を始めた記録時刻。完了 = 終了を記録した時刻。実際の仕事では、依頼する人、取りまとめ役、確認担当者と定義を確かめます。システムの状態更新と実際の出来事が同時とは限りません。不明な時刻や曖昧さも残します。 架空の記録 — すべて同じ日 依頼 | 送信 | 情報完備 | 確認開始 | 完了 A | 09:00 | 09:00 | 09:18 | 09:22 B | 09:30 | 09:30 | 09:46 | 09:50 C | 10:00 | 10:08 | 10:24 | 10:28 AとBは最初から情報がそろっており、Cは不足していた参照番号が10:08に届きました。 三つの区間を分けて計算する(単位:分) 送信から情報完備 = 情報完備の時刻 - 送信時刻 情報完備から確認開始 = 確認開始の時刻 - 情報完備の時刻 確認開始から完了 = 完了時刻 - 確認開始の時刻 合計 = 完了時刻 - 送信時刻 = 三つの区間の合計 架空の記録から計算した値 依頼 | 送信から情報完備 | 情報完備から確認開始 | 確認開始から完了 | 合計 A | 0 | 18 | 4 | 22 B | 0 | 16 | 4 | 20 C | 8 | 16 | 4 | 28 Cでは、10:08 - 10:00 = 8、10:24 - 10:08 = 16、10:28 - 10:24 = 4。 8 + 16 + 4 = 28分です。これは経過時間であり、実作業に使った時間とは限りません。中断が含まれる可能性もあります。 観察、説明、分からないことを分ける 3件とも、情報がそろってから確認を始めるまでが最も長い区間でした。そのため、対応できる確認担当者に依頼が届くまでの流れを調べる理由があります。ただし、担当者が不在だったことや、待ち時間の原因、普段も同じ傾向であることは、この記録だけでは分かりません。必要な人員数は判断できず、人員削減の根拠にもできません。 Cの参照番号を最初から添えれば、最初の区間は短くなるかもしれません。その後の待ち時間は残る可能性があります。これは確かめるための予測であり、改善を実測した結果ではありません。AとBは情報がそろっていたため、参照番号の不足では待ち時間を説明できません。 ここから決める次の一歩 手順4では、業務の流れを変える前に、追加の観察を選びます。取りまとめ役、依頼する人、確認担当者と相談し、依頼の種類と必要な確認が同じ次の5件を対象にします。定義への疑問や記録の訂正を受け付け、追加の観察を断ることもできるようにします。現在の業務、担当範囲、必要な確認は維持します。 四つの時刻に加え、不足情報、受け渡しの経路、仕事量、ほかの仕事との兼ね合い、例外、記録に増えた手間を残します。共有する記録には依頼の識別記号を使い、機密情報は取り扱いが認められた場所で管理します。5件目の完了時、または5営業日後の早い方で関係者と振り返ります。業務の支障、情報の取り扱い上の問題、同意の撤回があれば、追加の記録を中止します。件数が足りなければ、問いが残る場合もあります。5件は手間を限定する区切りであり、全体を代表する件数という意味ではありません。 情報がそろった後の待ちが続くなら、確認できた事情をもとに、元に戻せる変更を一つ相談します。準備や確認作業の区間が長いなら、調べる対象を見直します。判断する人、期待する変化、次の確認日を決めます。時間だけでなく、仕事の質、別の人に移った負担、同意、仕事の目的も確かめます。 後から加わったと仮定する架空のD — 試行で得た実績ではありません 依頼 | 送信 | 情報完備 | 確認開始 | 完了 D | 11:00 | 11:00 | 11:02 | 11:22 先を読む前に、Dの各区間と合計を計算してください。AとDは、合計がどちらも22分です。合計だけを比べると何を見落としますか。これまでの記録から引き続き言えることと、次に確かめたいことを分けてください。A、B、Cと同じ条件で比べる前に、何を確かめますか。 考え方の確認:0分、2分、20分、合計22分です。A、B、Cでは、確認開始までの待ち時間が最も長いという観察は変わりません。AとDは合計がどちらも22分ですが、Aは確認開始まで18分、その後の完了まで4分、Dはそれぞれ2分と20分です。合計だけでは、この違いを見落とします。Dによって調べる範囲は広がりますが、先の3件の待ち時間を調べる理由がなくなるわけではありません。仕事内容の難しさ、中断の有無、時刻の意味を確かめます。比較できる依頼なら、確認作業にかかる時間も調べます。例外なら理由とともに残し、説明に合わないというだけで除外しません。追加の1件だけですべての原因が確定するわけでもありません。 観察から判断までの記録 — 自分の仕事に使う空欄 問いと、その答えによって変わる判断: 対象範囲・比較できる仕事・関係者・判断者・同意: 出来事の定義・時刻の記録元・不明または曖昧な値: 観察した記録(機密情報は取り扱いが認められた場所で管理する): 依頼 | 送信 | 情報完備 | 確認開始 | 完了 | 仕事量・例外 | | | | | | | | | | | | | | | 各区間の計算(単位:分): 依頼 | 送信から情報完備 | 情報完備から確認開始 | 確認開始から完了 | 合計 | | | | | | | | | | | | 観察したこと・その時の事情・関係者からの訂正: 試している説明・仮説: 他に考えられる説明: この記録だけでは分からないこと: 次の判断と、観察結果からそう判断する理由: 判断を見直すことになる観察結果: 次の観察または合意した試行・予測・担当者・件数・確認日: 同意・守る条件・増える負担・中止条件・元の業務に戻す方法: 実際の結果・継続/修正/中止/追加確認の判断・理由・次の担当者: 別の事例で判断を確かめる 関係者に、別の安全に試せる事例でワークシートを使い、判断の理由を説明してもらいます。分かりにくかった箇所と、助けを求める場面を記録します。区間を計算し、説明に疑問を示すこともできるか確かめます。 別の人がこの方法を使うために必要だったこと: